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仕上げ磨きで気づいた「もう1本の歯」
夜の仕上げ磨きで、下の前歯の裏に白い歯の先が見えた。でも乳歯は、まだほとんど揺れていない。小学1年生ごろには、こうした生え替わりの相談がよく寄せられます。様子を見てよいのか、すぐ受診したほうがよいのか、迷う方も多いでしょう。
判断の手がかりは、乳歯の揺れ方、永久歯の位置、痛みや腫れの有無の3つです。
この記事では、次の内容を順に解説します。
- 二列に見える背景
- 家庭での確認点
- 受診までの磨き方と、乳歯を無理に抜かないための注意点
- 歯科医院で確認されること
この記事の要点まとめ
- 下の前歯が乳歯の内側から生える二列は、生え替わりの途中でみられることがあり、経過には個人差があります。
- 乳歯の揺れや永久歯の位置、痛み・腫れを確認し、変化が乏しい場合や症状がある場合は歯科医院へ相談します。
- 乳歯を引っ張らず二列の間を磨き、変化を記録しましょう。抜歯や矯正の要否は診察をもとに個別に検討されます。
乳歯の裏から永久歯が生えるのはなぜ?
下の前歯で二列に見えやすい生え替わりの経過
下の前歯の永久歯は、6〜7歳ごろに乳歯の内側(舌側)から顔を出すことがよくあります。永久歯のもとは、乳歯の根の内側寄りで育ちます。そして成長しながら、乳歯の根を少しずつ溶かしていきます。
根が短くなった乳歯はぐらつき始め、やがて抜け落ちます。この途中で乳歯が残ったまま永久歯が先に見えてくると、一時的に二列のように映るわけです1。下の前歯の二列は、生え替わりの途中で比較的よくみられる形です。
乳歯があまり揺れない理由は一つではない
揺れが少ない背景として、次のようなことが考えられます。
- 永久歯が乳歯の真下ではなく内側にずれて育ち、根の吸収が部分的にしか進んでいない
- 乳歯の根の形や、骨とのつながり方に個人差がある
ドイツで矯正歯科を受診した子どもを調べた研究があります。その報告では、約6割の子どもに、永久歯の発育が進んでいるのに残っている乳歯がみられました2。
とはいえ、外から見ただけでは原因はわかりません。抜歯が必要かどうかも、見た目だけでは判断できない点に注意が必要です。
乳歯が抜けたら永久歯は前に動く?
乳歯が抜けた後、内側の永久歯が前方へ寄ってくることがあります。舌が押す力や、周りのスペースが関係しています。ただ、どこまで、どのくらいの期間で動くかには個人差があります。スペースが足りなければ、内側に残る場合もあります1。
気になるときは、抜けた日と位置の変化を控えておきましょう。それを持って、歯科医院で一緒に経過を確かめる形をおすすめします。
様子見と受診を分ける、乳歯と永久歯の確認点

乳歯が揺れ始め、痛みがない場合に見ること
仕上げ磨きのついでに、次の点を確かめてみてください。
- 乳歯の揺れが前より大きくなっているか
- 永久歯の見える範囲が広がっているか
- 重なった部分まで歯ブラシが届いているか
乳歯は指で軽く触れる程度で十分です。揺れが少しずつ増しているなら、自然に抜けるのを待つ選択肢もあります。一方、しばらく見ていても揺れ方がほとんど変わらないこともあります。そのときは、日数で区切って待つ必要はありません。変化が乏しいと感じた時点で相談して構いません1。
乳歯が揺れないまま永久歯が伸びたら相談を
次のような様子があれば、長く様子を見るより、歯科医院へ連絡したほうが判断しやすくなります。
- 永久歯がはっきり伸びてきたのに、乳歯がほとんど揺れない
- 永久歯が大きく内側や斜めにずれて見える
- 二列の間に食べかすがたまり、お子さんが磨きにくそうにしている
重なった部分は歯垢が残りやすい場所です。そのため、むし歯や歯ぐきの炎症につながることがあります3。永久歯がまだ伸びている途中なので、早めに位置を見てもらうと、この先の見通しを立てやすくなります1。
痛み・腫れ・続く出血があるときは早めに連絡
次のような症状があるときは、生え方の相談とは分けて、早めに連絡しましょう3。
- 強い痛みを訴える
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 出血がなかなか止まらない
- 食事をつらそうにしている
連絡するときは、「いつから」「どの歯か」「痛みの程度」「熱や腫れの有無」の4点を伝えると話がスムーズです。
痛みがなく、生え方だけが気になる場合は急ぐ必要はありません。見つけた日と揺れの変化を伝えて、通常の予約で相談すれば十分です1。
受診までの対処は、無理に抜かず二列の間を磨くこと

乳歯を強く揺らしたり、引っ張って抜いたりしない
「早く抜けば、永久歯がきれいに並ぶ」とは限りません。揺れの少ない乳歯は、まだ根がしっかり残っていることが多いからです。無理に引っ張ると、強い痛みや出血、歯ぐきの傷につながるおそれがあります。
お子さんが痛がったら、触るのはそこでやめましょう。抜くかどうかは、診察で根と永久歯の状態を確かめてから決めるものです1。歯の話を怖いものにしないことも、受診をスムーズにする助けになります。
永久歯の内側と乳歯の裏を仕上げ磨きで確認
ヘッドの小さい歯ブラシを縦に持ち、内側の永久歯と乳歯の裏側を1本ずつ分けて磨きます。毛先を軽く当てて、小刻みに動かすのがこつです。歯ぐきに強く押し当てる必要はありません。
生えたばかりの永久歯は、歯の表面がまだ十分に成熟していません。そのため、むし歯になりやすいとされています。年齢に合ったフッ化物配合歯みがき剤を使うことも、むし歯予防の助けになります3。
見つけた日と歯の変化を記録しておく
記録しておきたい項目は次のとおりです。
- 日付
- 乳歯の揺れ(なし・少し・大きい)
- 永久歯の見える範囲
- 痛みや出血の有無
スマートフォンで、口の中を同じ角度から撮っておくのもよい方法です。受診したとき、「いつから、どう変わったか」を短い時間で伝えられます1。仕事や送迎の調整が必要なご家庭ほど、こうした記録が限られた受診時間を有効に使う助けになります。
歯科医院では何を確認し、抜歯や矯正を考える?
診察で見る乳歯の根・永久歯の位置・歯ぐきの状態
診察では、次のような点を目で見て確認します。
- 乳歯の揺れ
- 永久歯の向きや高さ
- 歯ぐきの腫れ
- かみ合わせ
根の残り具合や永久歯の育ち方を調べるために、必要に応じてレントゲン撮影を行うこともあります12。撮影するかどうかは診察で判断されるもので、全員に同じ検査を行うわけではありません。
乳歯の抜歯を検討する場合と、経過を見る場合
乳歯の揺れが増していて、永久歯の位置に大きなずれがない場合は、自然に抜けるのを待つことがあります。反対に、根の吸収が進まず、永久歯の生え方に影響しそうな場合は、乳歯の抜歯を検討します2。
抜いた後も、永久歯の動きを確かめるための通院が続くことがあります。1回の受診で終わるとは限らないことも、知っておくと予定を立てやすくなります1。
二列に生えたら、すぐにマウスピース矯正が必要?
二列に見えたことだけで、歯列矯正やマウスピース矯正が決まるわけではありません。小児矯正(1期治療)が必要かどうかや治療時期は、個別に検討されます。判断材料になるのは、あごの成長、歯が並ぶスペース、指しゃぶりや口呼吸などの癖です41。
小児矯正は原則として公的医療保険が適用されない自由診療ですが、保険適用となる場合もあります。1期治療の費用は医療機関により異なります。一般的な目安として、1期治療の治療期間は1〜3年程度、通院は装置の確認や調整のために1〜2か月に1回程度です。費用は総額で20万〜50万円程度が多く、このほかに精密検査料(数万円程度)や、通院ごとの調整料(1回数千円程度)が別にかかる場合があります。装置の種類や治療内容によって金額は変わります。これらは一般的な相場であり、当院の費用ではありません。当院の費用は診察のうえでご案内します。
相談の際は、治療期間、2期治療や保定期間の見通しもあわせて確認しておくと安心です。装置を使う場合には、次のような副作用やリスクが起こることがあります。
- 装置を使い始めたときや調整の後に、歯が浮くような痛みや違和感が出る
- 装置が当たって口の中に傷や口内炎ができる
- 装置のまわりに歯垢がたまりやすくなり、むし歯や歯ぐきの炎症が起こりやすくなる
- 装置に慣れるまで、話しにくさや食べにくさを感じる
- まれに歯の根が短くなる(歯根吸収)、あごの関節に痛みや音が出る
- 取り外し式の装置は、使用時間が足りないと計画どおりに進まないことがある
- 治療後に歯並びが元に戻ろうとする(後戻り)ことがあり、2期治療や保定が必要になる場合がある
装置がきついと感じたら自己判断で調整せず、使用している歯科医院へ相談してください。
三重県・鈴鹿市で生え替わりを相談する前の確認事項
仕事後のお迎えや下のお子さんの預け先を考えると、事前に確かめておきたいことがあります。
- 予約の取りやすさ
- 診療日
- 初診で生え替わりの相談ができるか
三重県内で医院名から探すときは、名前の似た別のサイトと混同しないよう、公式の案内で確認しましょう。たとえば「kennet」は厚生労働省の健康情報サイトの名称です。
にじのそら矯正歯科・鈴鹿に限らず、レビューはあくまで参考の一つです。検査の内容や費用の説明は、直接尋ねると納得しやすくなります。当院では、お子さん連れでも来院しやすいようキッズスペースを設け、丁寧で分かりやすい説明を心掛けています。
よくある質問
Q1. 二列のままでも、自然に並ぶことはありますか?
A. 乳歯が抜けた後、内側の永久歯が前へ寄ってくることはあります。ただし、動き方や期間には個人差があります。スペースが足りないと、内側に残る場合もあります。抜けた後の位置の変化を記録し、気になる段階で歯科医院に確認してもらうと安心です。
Q2. 受診したら、その日に乳歯を抜くことになりますか?
A. 揺れの程度や永久歯の位置、必要に応じて撮影したレントゲンの結果をもとに判断します。経過観察になることもあれば、抜歯を検討することもあります。お子さんの気持ちに配慮しながら、説明を受けたうえで決めていく流れが一般的です。
Q3. 歯科医院を怖がらないようにするには?
A. 「抜かれる」「痛い」といった言葉は避けるのがおすすめです。「歯がどう生えているか見てもらおうね」と伝えると、受け止めやすくなります。キッズスペースのある医院を選ぶのも一つの方法です。
Q4. 上の前歯でも同じことは起こりますか?
A. 上の前歯でも、生え替わりの途中で永久歯の位置がずれて見えることはあります。ただ、二列に見える状態は下の前歯でよく相談されます。上下にかかわらず、乳歯が揺れないまま永久歯が伸びる場合は、一度相談しておくと経過を追いやすくなります。
Q5. 子どもの矯正相談は何歳ごろが目安ですか?
A. 前歯の生え替わりが進む7〜8歳ごろに、一度歯並びを見てもらう方が多くいます。治療が必要かどうか、いつ始めるかはお子さんごとに異なります。相談したからといって、すぐに矯正が始まるわけではありません。
参考文献
1. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/
2. Henklein SD, Küchler EC, Proff P, et al. Prevalence and local causes for retention of primary teeth and the associated delayed permanent tooth eruption. J Orofac Orthop. 2024. PMID: 37395766 / DOI: 10.1007/s00056-023-00479-x
3. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth
4. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
・ロンドン大学クイーン・メアリー校歯学部留学
・岡山大学歯学部歯学科卒業
・岡山大学病院研修医
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 歯科矯正学分野修了 歯学博士
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 歯科矯正学分野 医員
・海部津島たんぽぽ矯正歯科クリニック
・名駅MA矯正歯科
(マウスピース専門の矯正歯科医院)
その他、名古屋、大阪を中心に複数の歯科医院で矯正
歯科専門医として勤務
歯科医師、歯学博士
日本矯正歯科学会認定医
インビザライン認定医
予防歯科認定医(ジャパンオーラルヘルス学会)
<所属学会>
日本矯正歯科学会
日本顎変形症学会
中・四国矯正歯科学会
ジャパンオーラルヘルス学会
<受賞等>
2015年 先端歯学スクール
岡山大学歯学部大学院生の代表として参加
2016年 岡山歯学会奨励論文賞受賞
2017年 日本矯正歯科学会の認定医試験、最高評価A
2020年 「歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療アトラス」に治療症例が抜粋される
<論文、学会発表>
“Topical Application of Lithium Chloride on the Pulp Induces Dentin Regeneration.”
K Ishimoto, S Hayano, T Yanagita, H Kurosaka,
N Kawanabe, S Itoh, M Ono, T Kuboki, H Kamioka, T Yamashiro
歯の組織の発生メカニズムを応用して再生医療の臨床試験につながる研究結果を英語論文にて報告しました。
その他、臨床論文、学会発表多数
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