
目次
お子さんの歯並び、今のままで大丈夫でしょうか
「まだ乳歯だから、もう少し様子を見よう」——そう考えるご家庭は少なくありません。ただ、歯並びの乱れをそのままにしておくと、むし歯のリスクや顎の発育、発音などにじわじわと影響が及ぶことがあります。この記事では、経過観察でよいケースと受診を検討したいサイン、ご家庭でできる簡易チェックまでを、鈴鹿市の矯正歯科の視点から整理しました。ご夫婦で判断されるときの材料としてお役立てください。
この記事の要点まとめ
- 乳歯の隙間や生え変わり時期の変化は自然に整うこともありますが、噛み合わせの状態により早めの相談が目安となる場合があります
- 歯並びをそのままにすると、むし歯や顎の発育、発音などへ影響が及ぶ可能性があるため注意が必要です
- 自宅でのセルフチェックや癖の見直しに加え、成長段階に応じた専門的な相談が判断材料になります
お子さんの歯並びは成長で自然に整う?「様子見」の前に知っておきたいこと

乳歯から永久歯へと入れ替わる時期は、お口の中が大きく変化していきます。一時的な隙間や凸凹が成長とともに落ち着くこともあれば、そのままにしておくと対応が難しくなるケースもあります3。まずは「自然に整いやすいケース」と「早めの相談が望ましいケース」を見分ける視点を持っておきたいところです。
乳歯から永久歯への生え変わりで自然に歯並びが整うケースと条件
乳歯の間に見られる隙間は「発育空隙」と呼ばれ、これから生えてくる大きな永久歯が並ぶためのスペースとして役立ちます3。また、上下の前歯が生え変わる7〜8歳ごろには、一時的に前歯が外側に傾いたり隙間が目立ったりする「みにくいアヒルの子期」があり、犬歯が生え揃う過程で少しずつ落ち着いていくこともあります。乳歯列に適度な隙間があり、上下の噛み合わせが極端にずれていない場合は、経過観察で対応できるケースもあります。ただし、成長のどの段階にいるかによって評価は変わるため、自己判断はなかなか難しいもの。一度専門的な視点で確認しておくと安心につながります。
早めの受診を検討したい噛み合わせのタイプ
一方、受け口(反対咬合)、極端な出っ歯、前歯が閉じない開咬、著しいガタガタ(叢生)などは、成長を待っても自然に整いにくい傾向があります。とくに反対咬合は、下顎の成長が続く時期に対応することで骨格的なアプローチがしやすくなると考えられています3。「上下の前歯が逆に噛んでいる」「口が閉じにくい」「明らかに歯ぐきが下がってきた」といった場合は、様子見よりも一度相談することをおすすめします。当院では約60分の無料相談を設けており、すぐに治療を始めた方がよいのか、もう少し経過を見てよいのかまで含めて丁寧にお話ししています。
お子さんの歯並びをそのままにしておくときに知っておきたい4つのリスク
歯並びの乱れは見た目だけの問題にとどまらず、口腔内の健康や全身の発育、将来の治療負担にも関わってきます12。ここでは代表的な4つのリスクを整理してみましょう。
磨き残しが増えることによる「むし歯」や歯肉炎リスクの上昇
歯が重なり合っている部位は歯ブラシが届きにくく、プラーク(歯垢)が停滞しがちです。プラークはむし歯や歯肉炎の主な原因であり、日々のセルフケアが難しい環境が続くほどリスクは高まると考えられています2。生えたばかりの永久歯はエナメル質が未成熟で、むし歯の進行が早い傾向があるため、清掃性の悪い並びを長期間そのままにするのは注意が必要です。仕上げ磨きを工夫しても限界がある場合には、環境そのものを整えるという視点も欠かせません。
顎の発育への影響と、骨格全体のバランス
噛み合わせのズレを長く抱えたままだと、左右どちらかで噛む癖がつき、顎の筋肉や骨の成長に偏りが出てくることがあります1。反対咬合や交叉咬合をそのままにしておくと、下顎が横にずれた状態のまま成長していく可能性も指摘されています。成長期にしか働きかけられない骨格へのアプローチがあることは、小児期の相談を検討する大きな理由の一つです。
発音・咀嚼機能への影響と全身への波及
前歯が閉じない開咬やすきっ歯では、サ行やタ行の発音が不明瞭になりやすく、学校生活のなかで気にするお子さんもいます。また、しっかり噛みにくい状態が続くと消化器への負担が増したり、噛む刺激が減ることで顎まわりの発達に影響したりする可能性も報告されています13。噛み合わせの偏りは、肩こりや頭痛など全身の不調につながる場合があるとも言われています。
大人になってからの矯正における負担の増大
骨格の成長を活かせる時期を過ぎてから矯正を始める場合、抜歯が必要になる確率が上がったり、治療期間が長引いたりする傾向があります。成人矯正は原則として自由診療となるため、費用面の負担も小児期より大きくなりがちです。「今始めない選択」が、将来の治療の複雑化や費用増につながる可能性がある点は、ご夫婦で共有しておきたい判断材料です。
我が家は大丈夫?自宅で今日からできる「お子さんの歯並び・噛み合わせ簡易チェックシート」

受診の前に、まずはご家庭でお口の状態を観察してみましょう。以下はあくまで目安であり診断ではありませんが、気になる項目があれば専門的な相談を検討する材料になります3。
前歯の生え変わり時期に確認したい口内のセルフチェック項目
洗面所など明るい場所で、次のポイントを見てみてください。
- 上下の前歯を軽く噛んだとき、下の前歯が上の前歯より前に出ていないか(反対咬合のサイン)
- 上の前歯が下の前歯を極端に覆い、下の歯がほとんど見えない状態ではないか(過蓋咬合)
- 奥歯を噛んだときに、前歯が閉じず隙間が空いていないか(開咬)
- 前歯がねじれていたり、重なり合って生えていないか(叢生)
- 乳歯同士に適度な隙間があるか(隙間がまったくないと、将来並ぶスペースが不足しやすい)
- 食事中、片側だけで噛んでいる様子はないか
いくつか当てはまるからといって、すぐに治療が必要とは限りません。ただし、複数該当する場合や気になる点が続く場合には、一度専門的に確認しておくと安心です。
歯並びに影響しやすい「日常のお口の癖」
骨格や歯並びは、日々の癖の積み重ねからも影響を受けます。とくに次のような習慣には注意が必要です。
- 4〜5歳を過ぎても続く指しゃぶり
- 口が常に開いていて、口呼吸になっている
- 舌で前歯を押す、飲み込むときに舌が前に出る(舌癖)
- 頬杖やうつぶせ寝など、顎に一定方向の力がかかる姿勢
- やわらかい食事ばかりで、しっかり噛む機会が少ない
当院では、口育士や離乳食コーディネーターの資格を持つ女性歯科医師も在籍しており、口呼吸やおしゃぶり、食習慣といったお口周りのご相談にも対応しています。癖の改善は、歯並びの乱れの予防につながるだけでなく、治療後の後戻りを抑える面でも意義があります。
小児矯正を始める目安の年齢と「にじのそら矯正歯科・鈴鹿」の取り組み
小児矯正は、成長の力を活かせる時期にスタートできるかどうかがポイントの一つです。ここでは治療の進め方と、当院で行っている工夫についてご紹介します。
骨の成長を活かせる「Ⅰ期治療」と、永久歯が揃ってから整える「Ⅱ期治療」
小児矯正は大きく2段階に分かれます。Ⅰ期治療は乳歯と永久歯が混在する時期に、顎の成長を利用してスペースを確保したり、噛み合わせのズレを整えたりするアプローチ。Ⅱ期治療は、永久歯が生え揃った後に歯並びを細かく整えていく段階を指します。小学1年生(6,7歳)前後は前歯の生え変わりが始まり、噛み合わせの傾向を確認しやすい時期でもあるため、初回相談の目安として案内されることが多いタイミングです3。もちろん、すべてのお子さんがすぐに治療を始めるわけではなく、経過観察のみで対応するケースもあります。
3D口腔内スキャナーなど、負担の少ない精密設備
矯正治療の第一歩は、正確な診断です。当院では、顎の骨の状態を立体的に把握できる歯科用CTやセファロレントゲン、そして3D口腔内スキャナーを導入しています。従来のドロっとした印象材による型取りが苦手なお子さんでも、光でスキャンするだけで歯型を採取できるため、嘔吐反射が出にくく負担も抑えられる点が特長です。また、待合スペースにはキッズスペースやおもちゃを用意し、通院を楽しんでいただけるよう工夫しています。
医療費控除と、保険が適用される例外条件
矯正治療の多くは自由診療ですが、支払った医療費は「医療費控除」の対象となる場合があり、確定申告で税負担を軽減できる可能性があります。また、唇顎口蓋裂などの一部の先天性疾患や、外科手術を伴う顎変形症など、法令で定められた条件を満たす場合には公的医療保険が適用されることもあります1。当院では費用や制度についても無料相談で丁寧にご説明していますので、ご夫婦で判断に迷われるときこそ、情報収集の第一歩としてご活用ください。
参考文献
1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth
3. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/
よくある質問
Q1. 歯周病を長期間そのままにしておくとどうなりますか?
A. 歯周病は、歯を支える骨が少しずつ失われていく病気です。そのままにしておくと歯のぐらつきや抜歯につながる可能性があります2。全身への影響も指摘されているため、早めの歯科受診が推奨されます。
Q2. 子どもの歯列矯正は慎重に考えたほうがよいという意見もありますが、実際はどうですか?
A. すべてのお子さんに矯正が必要なわけではなく、経過観察で対応するケースもあります。一方で、反対咬合など早期対応が望ましい状態もあるため、始めるかどうかは専門家の診断を踏まえて判断することをおすすめします3。
Q3. 歯並びが乱れていると将来どのような影響が出ますか?
A. むし歯や歯肉炎のリスク上昇、咀嚼機能や発音への影響、顎関節への負担などが挙げられます12。大人になってからの治療は、費用や期間の負担が増える傾向もあります。
Q4. 小学1年生ですが、まだ乳歯が多い場合でも相談してよいですか?
A. はい、前歯の生え変わりが始まる時期は相談の目安の一つです3。すぐに治療を始めるとは限らず、経過観察のご案内となる場合もあります。
Q5. 無料相談ではどのようなことを教えてもらえますか?
A. 当院の無料相談は約60分で、現在の歯並びの状態、今後の見通し、治療を始める場合の方法や費用感などを丁寧にお伝えしています。ご夫婦での参加も歓迎しています。
・ロンドン大学クイーン・メアリー校歯学部留学
・岡山大学歯学部歯学科卒業
・岡山大学病院研修医
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 歯科矯正学分野修了 歯学博士
・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 歯科矯正学分野 医員
・海部津島たんぽぽ矯正歯科クリニック
・名駅MA矯正歯科
(マウスピース専門の矯正歯科医院)
その他、名古屋、大阪を中心に複数の歯科医院で矯正
歯科専門医として勤務
歯科医師、歯学博士
日本矯正歯科学会認定医
インビザライン認定医
予防歯科認定医(ジャパンオーラルヘルス学会)
<所属学会>
日本矯正歯科学会
日本顎変形症学会
中・四国矯正歯科学会
ジャパンオーラルヘルス学会
<受賞等>
2015年 先端歯学スクール
岡山大学歯学部大学院生の代表として参加
2016年 岡山歯学会奨励論文賞受賞
2017年 日本矯正歯科学会の認定医試験、最高評価A
2020年 「歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療アトラス」に治療症例が抜粋される
<論文、学会発表>
“Topical Application of Lithium Chloride on the Pulp Induces Dentin Regeneration.”
K Ishimoto, S Hayano, T Yanagita, H Kurosaka,
N Kawanabe, S Itoh, M Ono, T Kuboki, H Kamioka, T Yamashiro
歯の組織の発生メカニズムを応用して再生医療の臨床試験につながる研究結果を英語論文にて報告しました。
その他、臨床論文、学会発表多数




