歯並びや噛み合わせを改善する「マウスピース矯正」は、近年注目を集め、多くの人が治療を受けています。
子どもの矯正において「T4K」「プレオルソ」「ムーシールド」は、機能的矯正装置として利用されていますが、特徴や適応年齢、目的が異なります。
このブログでは、「T4K」「プレオルソ」「ムーシールド」の違いやそれぞれの特徴を詳しく解説します。
■「T4K」「プレオルソ」「ムーシールド」の違いと特徴
最初に、「T4K」「プレオルソ」「ムーシールド」の違いと特徴を以下の表にまとめました。
項目 |
T4K |
プレオルソ |
ムーシールド |
目的 |
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改善可能な不正咬合 |
叢生、出っ歯など |
叢生、出っ歯、受け口など |
受け口 |
対象年齢 |
4~10歳 |
3~12歳 |
3~10歳 |
装着時間 |
日中1~2時間+就寝時 |
日中1~2時間+就寝時 |
就寝時 |
※対象年齢はお子さんの症状によって
上記の年齢に当てはまらない場合もあります。
3つの矯正装置は、直接歯を動かすことで歯並びを整えるのではなく、悪癖改善や口周りの筋肉のトレーニングを通じて、自然な歯並びへと誘導するための取り外し可能な矯正装置です。
装着期間の目安は、どの装置も半年~2年程度ですが、お子さんの協力が得られない場合は、期待された効果が得られず装着期間が延びてしまう可能性があります。
T4Kとプレオルソは、ガタガタ歯(叢生)や出っ歯などの不正咬合の改善が期待でき、ムーシールドは、主に受け口(反対咬合)の改善が期待できます。
すべての矯正装置の効果は個人差があり、同じ装置を使用したからといって同じ効果を得られるわけではありません。歯科医師による診察と診断に基づいて治療を進めることが重要です。
■T4Kの特徴
T4Kは、日中1~2時間と就寝中に装着するマウスピース型矯正装置です。口の周りの筋肉をトレーニングすることで自然な歯並びや噛み合わせへと導きます。
口呼吸や指しゃぶりなどの悪習癖の改善、舌の位置の改善、ガタガタの歯並び(叢生)や出っ歯などの不正咬合の予防・改善、顎の成長調整を目的としています。
乳歯だけが生えている乳歯列期から乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に使用すると、よい効果が期待できます。
やわらかいシリコン素材でできているため、扱いやすくお子さんも装着しやすいという特徴があります。
■プレオルソの特徴
プレオルソは、T4Kと同様に口の周りの筋肉を正しく機能させる訓練を通じて、自然な歯並びや噛み合わせへ導くためのマウスピース型矯正装置です。マウスピース型のため、食事や歯みがきの際は取り外せます。
効果も口呼吸や指しゃぶりなどの悪習癖の改善、舌の位置の改善、ガタガタの歯並び(叢生)や出っ歯などの不正咬合の予防・改善、顎の成長調整などはT4Kとほとんど同じです。
違いは、T4Kは悪癖解消に重点が置かれた装置であるのに対し、プレオルソは悪癖解消に加え適切な歯並びへの誘導にも重点が置かれている点です。
さらに、プレオルソは日本の歯科医師によって開発された矯正装置のため、日本人のお子さんにはT4Kよりもフィットしやすいケースがあるという特徴があります。また、複数のサイズから選べるため、お子さんの成長段階に対応しやすいことも特徴です。
■ムーシールドの特徴
ムーシールドは、口呼吸や舌の突出癖、指しゃぶりなどの悪習癖を改善し、口の周りの筋肉のバランスを整える矯正装置です。その結果、顎の成長バランスを調整し、受け口の改善も図れます。
乳歯列期に装着すると、適切な顎の成長を促すことができるため、永久歯の歯並びが整うことが期待できます。
その他の子どもの矯正の種類について詳しく知りたい人は、こちらをご覧ください。
【お子さんの成長段階やお悩みに合わせた装置の選択を】
「T4K」「プレオルソ」「ムーシールド」の特徴や違いを解説しました。それぞれ目的や効果が異なるため、歯科医師に相談し、お子さんの成長段階やお悩みに適切な装置を選択することが大切です。
にじのそら矯正歯科・鈴鹿では、専門的な知識と豊富な経験を持った日本矯正歯科学会認定医を取得している歯科医師が小児矯正を担当しています。お子さんの歯並びや噛み合わせでお悩みの人は、当院までお気軽にご相談ください。